列車番号:603D 乗車車両:キハ58・7209
乗車区間・時刻: 鳥取 10:15 → 12:53 岡山
撮影:1993年12月初旬 収録合計:約2時間50分
1997年11月末の改正で特急格上げ、ルート変更により廃止されたJR西日本のディーゼル急行『砂丘』の前面展望。鳥取と岡山を結び『砂丘』の走る因尾線は智頭ー東津山間が通票閉塞区間のため、腕木信号機とタブレットという国鉄時代の雰囲気が色濃く残るローカルムード満点の路線。急行列車の通過する那岐、美作河井、高野の各駅では日本で最後に残された走行中のタブレット授受シーンが見られるところから、多くのファンでにぎわいを見せたところです。
乗車車両のキハ58は塗色変更されたアコモ改造車ですが、そうとう使い込まれた足回りにはかなりガタがきているようで、ブレーキング時の振動が、画面を通じてもお分かりいただけるほど。中間に珍車キロハ28を組み込んだ身軽な3両編成とはいえ、老体に鞭打つようにして急勾配に挑むシーンは58系ファンの方にはある種の感動を伴うことでしょう。前面展望作品ですのでタブレット授受を直接撮影した映像は入っておりませんが、ホーム先端に待ち構えるタブレットをパチンと捕まえる音や、乗務員の通票確認の声などから、昔から行われてきた運転方法を実感していただける作品です。